会社員と個人事業主は兼業できる?開業届や気になる節税対策は必見!

会社員で働きながら副業をしていく中で、副業の規模が大きくなったり、長期に渡っての成功報酬が見込めると、個人事業主を検討する方が多い傾向にあります。

会社に属している状態だと、副業に対する確定申告が必要となることもありますし、実際のところ会社員でも個人事業主になれるか気になります。

そこで今回は、会社員と個人事業主の違いや、開業届や税金対策についてご紹介しましょう!

会社員と個人事業主の違いとは?

会社員と個人事業主で決定的に違うところは、組織に所属しているか否かということになります。

会社員はその名の通り会社に属している一員となりますが、個人事業主は自営業がフリーランスで働いているような法人を設立していない状態で働く人のことを示します。

個人事業主の種類は年々増えているのが現状で、自らを企業に売り込んで仕事を得たり、芸能人やプロスポーツ選手なども個人事業主として活躍しているといえますね。

また、個人事業主として仕事を始める場合には、事業開始から1ヵ月以内に「開業届」の提出が義務付けられていますので、自分で事業を立ち上げる際には税務署での申請が必要です。

会社員とは個人事業主は兼業できるの?

近年では、副業をしている会社員も多くなっていますので、個人事業主と兼業しているのも珍しくないようです。

実際のところ、会社員をしながら個人事業主として働くことは可能であり、本業の収入とは別に雑所得が副業の利益となります。

ただ、副業をしていることを会社に知られないようにしている方も多く、会社によっては副業禁止の場合もありますので、実際に副業をする際には注意が必要です。

本業でバリバリ働いている方にとっては、副業もこなすことで体力的にも負担がかかってしまい両立に苦しんでいる方もいるようですが、副業には様々な分野の業務内容がありますので、自分のペースで進められるような業務内容を選ぶことも大切ですね。

会社員の個人事業主は開業届が必要なの?

会社員で副業していて開業届を提出している方は現状として少ないといわれていますが、実際に開業届を出すことによってどんな効果があるのか気になります。

基本的には、個人で立ち上げた事業を行う際には開業届が義務となっているのですが、その事実を知らない方も多いようです。

開業届の手続きをしてしまうと会社に副業がばれてしまうのでは?などの不安点もありますので、その詳細について紐解いていきましょう。

青色申告ができる

開業届を出して事業所得として認められると、確定申告をする年の3月15日までに「所得税の青色申告申請書」を提出することで青色申告をすることができます。

青色申告は複式簿記の知識が必要になることもあって、手続きなどが複雑化しているのですが、「青色申告特別控除」によって最大で65万円の控除を受けることができるのは嬉しいですよね。

近年では、青色申告がしやすくなるような計算ソフトも出回っているようなので、計算が苦手な方にもわかりやすいシステムもありますので活用してみてください。

税理士に無料で相談ができる

開業届を出すと、税理士さんや税務署が管轄する勉強会や無料相談会の案内が定期的に届くようになります。

また、自宅や事務所などに税理士さんが直接訪問してくれるので、税金ついてわからないところがあれば気軽に質問することができますし、記帳指導もしてくれる無料サービスもあります。

税金のプロの意見を直接聞けるだけでなく、本来であれば雇うのに費用がかかりそうなことも無料でアドバイスが聞けるのはお得ですよね。

確定申告の書類が毎年届く

開業届を出すと、税務署から毎年確定申告に関する書類一式が送付されます。

うっかり確定申告をし忘れてしまう方も多いと聞きますし、合図のように書類が送られてくるサービスは心強いですし、毎年の提出期限を自然とチェックすることができます。

ちなみに、書類に関しては国税庁の公式ホームページからダウンロードできるので、記入ミスがあったとしても新しく用意できるので安心です。

会社員の個人事業主が開業届を出すデメリットは?

失業保険が貰えない?

会社からリストラされたり倒産によって職を失った際に、原則として会社員は失業保険を受け取ることができますが、開業届を出すことで「雇用保険の基本手当」の受け取り資格がなくなってしまい、失業保険が貰えない可能性が高くなります。

失業保険を受け取る条件として、再就職の意思や能力があるかが問われますが、開業届によって他の事業として仕事をしている見なされてしまい、再就職の意思がないと判断されるので失業保険の対象外となってしまうようです。

失業していても実際には副業があることから経済的には問題ないかもしれませんが、失業保険も大切なお金ですので開業届を出すのを躊躇ってしまうかもしれませんね。

開業届を出すと会社にばれる?

自らが事業主となって仕事をする際には、1か月以内に開業届を提出が義務ではありますが、実際のところ、提出していなくてもこれといった罰則がないのが現状です。

副業による所得が少ないという理由で、税務署から申請を断られるといったケースもあるそうですが、開業届は提出さえすれば事業が成り立っていなくても受理されるともいわれています。

事業として認められるとその利益が事業所得となるため、会社に事業をしていることがばれやすいこともあって、開業届を出しても雑所得として申請することで副業に関係すると認識されなくする対策をしている方もいるそうです。

会社員の個人事業主は社会保険はどうなるの?

会社員は所属している会社の健康保険や厚生年金保険に加入し、個人事業主の場合は国民健康保険と国民年金保険に加入するのが一般的ですが、会社員が個人事業主になっている場合は、会社の健康保険や厚生年金保険が適用されるのでしょうか。

社会保険制度によると、規則として会社か個人事業による保険のどちらか一方にしか加入することができない決まりになっており、しかも会社員の場合は会社からの保険に加入することが義務付けられています。

つまり、会社員で個人事業主になっている場合はそのまま会社の保険が適用されることとなりまり、国民健康保険と国民年金保険に改めて加入する必要はありません。

さらに、会社に属している状態で個人事業主として所得を得ている場合でも、社会保険の掛け金には反映されない仕組みになっているので、個人事業主単体で働いている方に比べてると月々の社会保険料を節約することができるのです。

国民健康保険や国民年金保険は、会社の保険に比べると月々に納める金額が高くなっていることも多く、会社員と個人事業主で兼業していることによって会社の保険に加入できるのはお得かもしれませんね。

また、年金を受給する時期になっても事業所得を得ている場合でも、それによって貰える厚生年金の額が下がることはなく、ましてや貰えなくなるということもありません。

個人事業主のみで働いていると、事業が思うようにいかなくなったり利益が見込めなくなる場合もあるかもしれませんが、その場合でも会社員として納めていたことによって会社の福利厚生制度が適用されるので、金銭的にも安定した状態で事業に取り組むことができますよね。

会社員の個人事業主は税金はどうなるの?

会社員をしながら個人事業主をしている場合は、副業による所得を得ていると確定申告が必要となります。

ただ、会社員とし働いている以上、所属している会社で年末調整を行うことによって所得税などの税金を納めていることになりますので、年間20万円以下の副業所得であれば手続きをしなくても良いのです。

例外となるのは、年間2000万円以上の年収がある会社員の場合で、規定の金額を超えてしまうと会社では年末調整ができなくなってしまいますので、個人的に確定申告をしなければなりません。

また、個人事業の利益が赤字になってしまった場合には、事業所得として赤字を申告することで、本業の給与と一緒に課税して所得税や住民税を安くできることができますが、本業の給与に対しての源泉徴収による住民税との誤差が発覚する可能性がありますので、会社に副業していることがばれてしまったり、個人事業が赤字であることを知られてしまうリスクが伴います。

逆に、個人事業の利益が黒字の場合は、「青色申告特別控除」によってその年に得た利益から最大で65万円を差し引いてから計算できる制度を利用することができます。

基本的に会社員というのは「給与所得控除」が適用されているので、仕事に関する必要経費を差し引い税金を計算しているのですが、会社員の個人事業主の方に関しては「青色申告特別控除」も同じように利用することが可能なのです。

黒字の際に関しても、確定申告をすることで会社に副業が知られてしまうこともありますので、住民税の徴収方法の欄の「自分で納付」にチェックに入れることによって、副業所得による住民税が会社に知られるのを防いでくれます。

会社員の個人事業主の節税対策!

個人事業主として事業を進めていくにあたって、節税をしたいと考える方も少なくないようですが、実際に会社員で個人事業主をしている場合は、どのくらいの費用が節約できるのか気になりますよね。

基本的には、仕事をする上で必要となる費用は経費として落とせることにはなっていますが、個人事業に関しても適用することはできるのでしょうか。

会社員と同じように、個人事業主として働く際にも、取引先との会食や仕事を円滑にするためにかかった費用などがどうしても増えていきますが、それらは事業と関連していると見なされると経費として落とせることができます。

事業と関連がある費用ということを明確にするためにも領収書は必ず必要となりますので、お会計に行った際には必ず受け取るようにしましょう。

もし不安であれば、どのような話をしたかなどを領収書の裏面などに書いておくと説明する時に説得力が増しますし、メモなどを明記して領収書をファイリングしておくのも良いでしょう。

また、個人事業主として得た利益を事業所得と認定されると、自宅や自家用車などを事業に使うための必要経費として見なされることになるので、家賃や電気代なども経費の対象になる可能性が高いです。

車はプライベートでも使うことが多いかもしれませんが、事業に関しての移動距離はさらにかかってしまうこともありますし、ガソリン代が経費として落とせたらありがたいですよね。

自家用車を経費としてより多く落としたい場合には、新車よりも中古車の方が経費の対象となる金額が多いようなので覚えておきましょう。

個人事業ということで自宅を事務所にしている方も少なくないと思いますので、月々負担となる家賃や電気代が経費で落とせることができれば、経済的にも余裕を持つことができますよね。

ただ、住宅に関わる経費に関しては、事業に使用している部屋の割合でどのくらい経費として認められるかが決まってきますので、全体からの部屋の配分などをチェックしておく必要があります。

さらに、副業でパソコンが必需品となっているケースも多く、事業を円滑に進める中で必要不可欠となっているものではありますが、実はパソコン代も経費として落とすことができるのです。

青色申告では30万円未満、白色申告では10万円未満であれば一括で落とせることができるのですが、一括で落とせないこともあり、その場合は年単位で均等に落とすということになります。

会社員と個人事業主の違いや対策まとめ

いかがでしたか?

会社員として働きながら個人事業主として事業を展開することは誰にでも始められることではありますが、覚えておきたい制度や利用できるサービスなどをチェックしておくことが大切です。

事業として基盤を作ることができれば、将来的にも利益を見込めることもできますし、経費として落とせる費用を確保すれば、経済的にも余裕を持って個人事業主として活躍できることでしょう。

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